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給与引き上げ停滞時代の新戦略! 有能な人材維持に知っておくべき、賃上げトレンド解説



2024年、給与の引き上げは減少傾向に


 アメリカの給与ソフトウェア・データ会社『Payscale』※1が、5735人を対象にした調査によると、安定した労働市場とインフレの沈静化を受け、2024年に給与引き上げを予定している組織は減少傾向にあると報告されています。2023年には、89%の雇用主が4.8%の賃上げをしたのに対し、2024年はやや減少し、79%の雇用主が4.5%賃上げを予定しています。

 

 また、American Staffing Association所属の約2000人を対象にした調査によると、53%の従業員は、給与の引き上げ率がインフレに追いついてないことに対して不安を感じていることが分かっています。従業員が求めているのは、自分の能力、経験、社会情勢に合った昇給が提供されることや、給与の指標が従業員にも共有されることです。また、給与引き上げは落ち込んでいるものの雇用主側も、人材管理に置いて、給与の引き上げは重要なトピックだと捉えていることには変わりありません。

 

従業員が抱える財政的不安。給与引き上げのトレンドに変化


 前出のPayscaleで働く、Pay Equity※2の専門家、ルース・トーマス氏によると、昨今、従業員が抱える財政事情への不安は深刻で、従業員が納得いくレベルの賃上げを実現するのは、雇用主にとって極めて難しいと話します。同社の調査によると約30%の組織は、従業員を満足させる賃上げを実現できないことで、大事な人財を失うことを危惧しています。

 

 同氏は、特定の給与の指標にとらわれて、大まかに他社と比較することなどは避け、代わりに従業員が持ち合わせる、自社で必要なスキル、資格、経験を指標にしたり、彼らの懸念、ニーズなどを考慮して、報酬を決定、管理する方がより有益、かつ一人一人に向き合った給与設定を提案できると話します。


Pay Transparency(給与の透明化)は急務!なぜ大事?


 また、これからの給与引き上げのもう一つの鍵は、Pay Transparency(ペイ・トランスペアレンシー)給与の透明化※3です。現在、米国内の約60%の組織は、従業員に支払っている給与の範囲を公表しており、その公表率は昨年より15%増加しています。給与の透明化が優秀な人材を集め、保持する対策として、さまざまな組織で取り入れられていることが分かります。

  

 前述のように、給与に透明性を持たせる組織は年々増加しており、雇用主も従業員もその重要性を感じています。27%の雇用主は、従業員から給与についての質問をされた経験があり、14%の従業員は、より良い給与条件を提示した会社への転職を理由に離職しています。また、11%は、社内で自分と同様のポジションの求人を目にしたことにより、自身の給与が同僚より低いことを知るなど、給与の透明性が従業員に及ぼす影響が見て取れます。

 一方、給与の透明性の重要性が語られるようになった今でも、それに対して法的整備がされていない地域などでは特に、透明性を持つことに抵抗のある雇用主も多くいます。また、従業員や管理職からの要求がない限りは、正当に給与が支給されていない従業員に対しての対処をしない雇用主も多く見受けられます。今後、雇用主が「給与」について考えるとき、従業員のニーズである、公平性をもった給与決定、他社に劣らない給与額の維持などを加味し、誰もがアクセスできる給与決定システムを持つことが、組織の要となる人財の保持やエンゲージメント、さらには、企業の利益にも繋がっていくと予想されています。


※1 Payscale: 雇用主が従業員の給与を管理し、従業員が労働市場での自分の価値を理解することを支援する、給与ソフトウェア・データ管理会社。

 

※2 Pay Equity(ペイ・エクイティ): 性別や人種・民族、年齢等の属性に影響されることのない同一労働価値同一賃金を達成するための賃金格差解消を指す。

 

※3 Pay Transparency(ペイ・トランスペアレンシー)給与の透明化:給与の透明化は、賃金交渉の権利を雇用者から被雇用者や求職者に移し、意識的・無意識の雇用の偏りをなくすと同時に、公平な賃金制度の導入に対する雇用者の責任を強めます。

 

参考資料:

『2024 Compensation Best Practices Report』https://www.payscale.com/research-and-insights/cbpr/

 

執筆者:

Chihiro Bjork

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