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過去12年で最低レベルにエンゲージメント指数の低下傾向

 米国内の従業員エンゲージメント指数(*1)が、過去12年で最低レベルを記録したことが、管理職向けのコンサルティング・サービスなどを提供するGallup社の最新の調査結果により明らかになりました。2023年末の調査では、米国内労働者が職場や労働環境に示したエンゲージメント率は33%だったのに対し、2024年2月の調査では3%低下し、30%となりました。この低下率を数字で表すと、約480万人に相当します。

 

 低下の原因としては、職場での役割の不明確さ、組織への満足度、組織のミッションや目標などに対する帰属意識の低下などに起因し、雇用主との繋がりを感じにくくなっているなどの回答が挙がりました。さらに、上司や同僚が、自分のことを気にかけていないと感じていることも、エンゲージメントの低さにつながっていることが分かりました。

 

従業員は何を望んでいる?

重要なのは4つのポイント

 

 テネシー州のナッシュビルにある、経営・人事コンサル会社Humani HRのCEO、カーリー・ホルム氏によると、彼女のクライアントの間でも、従業員のエンゲージメント低下は重要な課題になっていると言います。同氏はこう続けます。「ここ数年で労働環境は大きく変わり、同僚と交流するよりも、スクリーンを見つめている時間が長くなりました。そうした傾向が、エンゲージメントの低下にも繋がっていることは容易に想像できます。」

 

 また、ユタ州ソルトレイクシティーを拠点とする、労働環境の向上支援のソフトウェアを提供する、O.C. Tanner Instituteのディレクター、メーガン・ステラー氏は、前出のGallupの調査結果を受け、このように話します。「この問題の根幹は、従業員のエンゲージメントよりも、もっと深いところにあります。エンゲージメントは、努力やモチベーションにより裁量され、仕事のパフォーマンスは反映されません。では、従業員は、不満を抱えた状況下で、努力し、仕事のパフォーマンスを向上させることが可能なのでしょうか?雇用主にとって、従業員のエンゲージメント向上は重要な課題であり、これまでも投資を続けているエリアです。しかし、前出の調査結果が示すように、あまり良い変化は感じられません。もしかすると、従業員たちは、暗にエンゲージしようとしていないのかもしれません。彼らが求めているのは、意義があり、充実した職場での経験であり、従業員が中心に考えられている労働環境なのでしょう。」

 

 同氏によると、心理学的側面から従業員を満足させるには、下記の4点が重要なポイントになると言います。

 1.コミュニティー意識、帰属意識、所属意識

 2.目的意識

 3.個人の成長の機会、達成感

 4.業務遂行時のフレキシビリティーと自律性

 

 また、前出のGallupの調査によると、下記のような条件が、エンゲージメントの低下の傾向に当てはまったことが分かりました。

 ・35歳以下(Gen Z世代

 ・リモートで作業が可能な業務を担当しているが、通勤している従業員

 ・フルリモート勤務の従業員

 

雇用主、管理職は何ができる?

エンゲージメント向上術8選

 

 前出のGallupによると、エンゲージメントが高い組織が行っているエンゲージメント向上の対策を調査したところ、下記の8点が効果的と分析しました。

 1.従業員のニーズに合った、ハイブリット式の労働環境。

 2.組織としての要望を従業員に明確に伝えること。

 3.管理職に対するトレーニングとサポートの提供。

 4.新入社員への効果的なオンボーディング・プログラムの提供。

 5.従業員の心身の健康に対する、総合的、多角的な情報やサービスの提供。

 6.特にリモート勤務の従業員に気を配り、職場に満足しているか、帰属意識を感じられているかを定期的に確認する。

 7.通常業務の報告以外で、一対一の面談を設けること。彼らが従事している業務が、組織のどのような目的に繋がっているのか、彼らのスキルや情熱を組織でどう活用したいかなどを話し合う場になればなお良いでしょう

 8.従業員一人ひとりの成長予想図を示し、彼らの成果を評価すること。

 

 雇用形態や働き方に関わらず、従業員のエンゲージメント対策は、雇用主や管理職の責任であるという認識がとても大切です。従業員のエンゲージメント率が上がれば、彼らのパフォーマンス向上に繋がり、それが顧客満足度や組織としての利益に繋がっていくことが期待でき、双方にとって良い結果となるでしょう。

 *1 エンゲージメント指数:従業員の仕事に対してのモチベーションや、従業員と職場との結びつきを表す「エンゲージメント」を指標化、数値化したもので、この指数が高ければ、従業員と職場との関係は良好とされ、従業員の労働意欲の向上にも繋がるという考え方です。

 

参考リンク:

SHRM「Employee Engagement Falls to Lowest Point in Over a Decade」:https://www.shrm.org/topics-tools/news/employee-relations/employee-engagement-falls-gallup

 

執筆者:

Chihiro Bjork

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