「自走する組織」はどう作られるのか
- huminaresource
- Mar 10
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社員が主体的に動く環境づくり
最近、多くの企業から、「社員にもっと主体的に動いてほしい」、「自分で考えて動ける組織にしたい」という声を聞く機会が増えています。
社員が自ら判断して行動できる組織は、意思決定のスピードが速く、変化にも柔軟に対応できます。一方で、方向性や判断基準が共有されていない状態で「自走」を求めると、組織として期待とは異なる方向に進んでしまうケースも少なくありません。
では、社員が主体的に動く組織は、どのようにして生まれるのでしょうか。そのヒントとして、米国のケータリング会社、Tasty Cateringの事例を紹介します。
トップダウン経営からの転換した
米国企業の事例から考える
Tasty Catering はイリノイ州にあるケータリング会社で、現在は約150名の社員を抱えています。同社は現在、業界平均45%と言われる離職率に対しわずか4%という低い離職率と高い収益性を実現しています。
しかし、同社は2000年代初頭には、同社は業績不振に苦しみ、社内の士気も低下していました。当時の経営スタイルは典型的なトップダウン型のマネジメントでした。 そんな状況の中、若手社員2人が経営陣にある提案をします。「管理型の経営を続けるなら辞める。社員が主体的に動ける組織に変えるべきだ。」会社が厳しい状況にあったこともあり、経営陣は思い切って組織文化の改革に踏み切りました。
社員が作った「7つの価値観」
組織改革の中心となったのは、社員自身が作った 「7つのコアバリュー(価値観)」です。
常に倫理的・合法的に行動する
すべての人を尊重する
あらゆる仕事において品質を追求する
高いサービス基準を守る
ベストを目指す強い意志
個人の規律を重んじる文化
規律の中での自由と責任
この価値観は単なるスローガンではなく、日々の意思決定の基準として機能しています。
社員は「上司の指示」を待つのではなく、この価値観に沿って自ら判断することが求められます。
現場での判断を可能にする文化ケータリングでのトラブル実例
ある結婚式のケータリングの現場で、突然停電が発生したことがありました。通常であればイベントは中止になる状況でしたが、現場責任者の社員はすぐに行動しました。
会社の倉庫に連絡し発電機を10台手配
電気技師を呼んで接続
イベントを予定通り実施
上司の指示を待つことなく、現場で判断して問題を解決したのです。これは特別な判断ではなく、同社では日常的に起きている行動だといいます。
パンデミックでも生き残った理由
社員自身がビジネス機会を見つける
この文化はコロナ禍でも大きな力を発揮しました。多くのイベントがキャンセルされる中、トップからの指示ではなく、社員たちは自ら新しい収益機会を見つけました。
例えば、
・料理を個別包装に変更して提供
・配送スタッフが稼働しているオフィスを調査
・州兵への食事提供を提案
自走する組織を作る3つの要素
この事例から見えてくるのは、社員の主体性は「個人の能力」だけで生まれるものではなく、組織の環境によって育まれるということです。特に重要なのは次の3つです。
明確な価値観と判断基準
社員が自分で判断できるのは、会社としての方向性が明確だからです。
信頼と権限委譲
自走を求めるのであれば、
管理だけではなく 信頼と権限委譲が必要になります。
対話型のマネジメント
社員が主体的に動く組織では、
一方的な指示ではなく 対話によるマネジメントが行われています。
「自走」は文化として育てる
社員の主体性は、制度だけで生まれるものではありません。価値観の共有、信頼関係、そして組織としての文化が整ったとき、社員は自然と主体的に行動するようになります。企業が社員の自走を期待するのであれば、まず 自走できる環境を整えることが重要と言えるでしょう。
参考記事:Arlene S. Hirsch『Empowering Employees Before, During and After the Pandemic』
執筆者:
Chihiro Bjork




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